廃棄物再⽣資源化プラント WTE/Maax™ を利⽤し、環境を⼀切汚すことなく、安全に廃棄物から再⽣資源化したエネルギー等を、地域社会や国家の基礎産業となる農業などの第⼀次産業に対して重点的に還元・利活⽤し、理想的なサスティナブル(持続可能な)循環型社会を実現しようという構想です。
このプロジェクトは環境保全、ゼロエミッション(ごみゼロ)、RE100(⾃前のエネルギーですべてをまかなう)、第⼀次産業の近代化、収益安定及び六次産業化、さらに雇用の創出などを同時に達成しようというものです。例えば交通の便の良くない過疎化の進んだ農村地域や離島などでも⾃⽴的発展を⽬指すことが可能となります。
サステナビリティとデジタルの2つのトランスフォームは、私たちの生活の価値観を変え始めて、今後は都市の姿も今とは大きく変わってくるでしょう。そして、これからのまちづくりを20世紀からの延長線上で思考するのか、サスティナブル都市の姿を見据えて考えるのかによって、その地域は全く異なった姿になります。
これからのサスティナビリティは、“環境に優しい”だけでは意味をなさなくなり、長期的な価値を生み出していける「持続可能」な経済社会システムとそこでの暮らし方・働き方が組み込まれた社会づくりが根幹に深く関わる概念になってきています。
SDGsの17のゴールの一つに「住み続けられるまちづくりを」という目標が掲げられています。国際開発目標群の中に「まちづくり」が組み入れられることはSDGsの採択以前に例がなく、「住み続けられるまちづくり」に期待が集まっている証といえます。
そうしたなか、日本の現状として、一極集中型の都市構造が進み続け、地方の過疎化や地方経済の縮小などにより、ますます都市と地方の格差が加速しています。日本特有のエネルギー問題や地方創生という課題を解決する手段として、再生可能エネルギーを基軸とした都市づくりが注目されています。エネルギーを中心とする地方の新たな成長戦略として、地域資源の有効活用や熱利用に代表されるエネルギーの高効率な利用を行うことが検討されていますが、ゴミ焼却から得られるエネルギーを中心とした街づくりでは、地域を特定することなく、プロジェクトを進められるメリットがあります。
そして、ゴミ処理エネルギーをコアとし、地域をマイクログリッド&スマートコミュニティとして活性化させ、さらに、これらの地域間を連携させたサスティナブルコミュニティを形成することによって、持続可能な循環型地域経済圏確立を目指すことが可能となります。
農林水産省と環境省の定義によると、"スマートビレッジ"とは「再生可能エネルギーを活用した発電設備を建設して農村部における電力の自給自足を図ろうとするもの」となります。ただ、この定義では少々範囲が狭すぎる印象といえます。エネルギーの自給自足だけでなく、そのエネルギーを活用した農林水産業の生産性や経営そのものを効率化することで、農業の経済基盤を安定させ、それを軸とした地域づくりが本当の"スマートアグリビレッジ"だと言えます。
スマートビレッジを経済的に成り立たせるには、農林水産業に限らず地域レベルでエネルギーを融通し合うことも重要です。先行するオランダでは、農業生産法人が導入した発電システムから発生する熱エネルギーを地域の学校や養護施設に提供し、通常よりも安い価格で熱エネルギーが得られ、農業法人は、そのエネルギー販売代金の収入が得られるというモデルが成立しています。
農林水産省によると、2000年には約389万人※の農業就業人口は、2018年には約175万人※まで低減してしまい、半分以下に減少したことになります。この弊害は、農業就業人口の減少とともに食料自給率が下がり、日本の食糧基盤が大きく揺らいでいます。
そうしたなか、新たな政策が産官学連携で積極的に推進されています。その1つがスマート農業です。スマート農業は、最新のテクノロジーを駆使することで労働生産性を高める取り組みで、下記のような技術が挙げられます。